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今回は東野圭吾の隠れた名作「天使の耳」のネタバレ解説をしたいと思います。
東野圭吾「天使の耳」がガリレオシリーズ好きにおすすめ
このあと明らかにしていく「天使の耳」で使われたトリックは、数学のような時間の計算を下地にしています。
これはまさに東野圭吾の顔と言える理系トリックであり、看板シリーズであるガリレオシリーズに通じるものです。
そのため、「ガリレオシリーズ」が好きな方には確実に「天使の耳」がおすすめです!
逆に、もし「天使の耳」が面白ければ「ガリレオシリーズ」も間違いなくおすすめです!
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東野圭吾「天使の耳」交差点の構造
まず、前提となるC町三丁目の交差点はこちらのようになっています。
縦の太い道路は「花屋通り」。
南北に伸びていて、片側二車線です。
そして交差するのは「片側一車線の通り」と名付けました。
こちらは東西に伸びています。
東野圭吾「天使の耳」信号機の仕組み解説
信号機はこちらの図のような仕組みになっています。
花屋通り側は赤が56秒、青が60秒、黄色が4秒の合計120秒(2分)のサイクルになっています。
これに、片側一車線の通りは「信号の切り替わりの際、必ず両方が赤の状態が4秒ある」とのことなので、当てはめると上記の図のようになります。
東野圭吾「天使の耳」視覚障害者の奈穂が主張した理屈
まず、小説内では視覚障害を持つ天使、奈穂が様々な事象をもとに、事故発生当時、彼女の乗っていた車側は青信号だったと主張します。
それを図にするとこちらのようになります。
簡単にですが、証明に使われたものをまとめるとこちらのようになります。
- ラジオで流れていた荒井由実の「リフレインが叫んでいる」の曲のどこで健三が「よし、青だ、いいタイミングだ」と言ったかという記憶
- ラジオで流れていた荒井由実の「リフレインが叫んでいる」の曲のどこで事故が起きたかという記憶
- 標準時に対して、銀行のデジタル時計が41秒遅れていたこと
- 紀夫が撮影したビデオに写っていた銀行のデジタル時計の時刻と信号機の色
これらをもとに、奈穂は青信号を証明しました。
東野圭吾「天使の耳」瑠美子の証言によって判明した事実
事件は奈穂の主張を受け入れるかたちで処理されます。
しかし、最後のシーンで刑事と、ミニスカートの瑠美子が会話します。
そして、実は事故発生時に、お互い赤信号だったことが明らかにされます。
図にまとめるとこちらのとおりです。
- 標準時に対して、銀行のデジタル時計が41秒遅れていたこと
- 紀夫が撮影したビデオに写っていた銀行のデジタル時計の時刻と信号機の色
- 銀行のデジタル時計が事故の10秒後くらいに0時01分00秒になったという瑠美子の記憶
つまり、奈穂が主張していたこちらの内容は真っ赤な嘘だったことがわかります。
- ラジオで流れていた荒井由実の「リフレインが叫んでいる」の曲のどこで健三が「よし、青だ、いいタイミングだ」と言ったかという記憶
- ラジオで流れていた荒井由実の「リフレインが叫んでいる」の曲のどこで事故が起きたかという記憶
しかし、実際には奈穂も瑠美子も自分の記憶を頼りに話しているだけなので、どちらの言うことにも優劣はつけられないんですね。
東野圭吾「天使の耳」ラストの解釈・感想
上記のような考えさせられるようなトリックを使って、小説をうまく〆られてしまいました。
私が思った感想としてはこちらのとおりです。
- 「障害者はハンディを抱えている」というのは一面的な見方である。能力の使い方によっては健常者を凌駕することができる
- 「障害者が健常者より優れている」ということが作家の主張したいことではない。障害者と健常者の優劣はつけられないものであり、それが「どちらが正しいとも言えない」というラストにつながる
なんともよくできた短編ですよね。
メッセージが凝縮されていて、考えさせられる良作でした。
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